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各地の支援団体

こどもたちの「食」と「学び」 地域の絆で支える

取組事例の主な分野:こどもたちの「食」と「学び」 地域の絆で支える

支援団体トピックス

こどもたちの「食」と「学び」 地域の絆で支える

NPO法人 やまがた絆の架け橋ネットワーク(山形県)

2026年8月10日 掲載

さくらんぼをはじめフルーツ栽培が盛んな山形県寒河江市は、JRの山形駅から約30分に位置します。ここで地域のこどもたちをサポートしているのが、NPO法人「やまがた絆の架け橋ネットワーク」。市内で無料のこども食堂「さくらんぼ食堂」や学習塾を開いており、地域からの信頼を得ています。


NPO法人やまがた絆の架け橋ネットワークが運営するさくらんぼ食堂。こどもと保護者が一緒に食事ができる

こども食堂で家族団らんの時間をつくる

「みんなの前で『いただきます』を言ってくれる人はいるかな」

法人で代表理事を務める早坂信一さんがこう呼びかけると、「はーい」とこどもたちの元気な声が響き渡りました。さくらんぼ食堂のこの日のメニューは、ハンバーグとホウレンソウのソテー、ゴボウサラダ、ごはん、お味噌汁、ミカン。さっそく「おいしい」との声があがり、しばらくすると、おかわりする列が。こどもと一緒に参加した寒河市内の女性は「家事を気にせず、家族そろって食事ができるのでありがたいです。物価も上がっているのでとても助かっています」と笑顔を見せていました。

やまがた絆の架け橋ネットワークは、東日本大震災で福島県から山形県内に避難した被災者の帰省の足としてバスを運行したボランティア組織が前身です。その後、メンバーや活動内容が変わり平成28年(2016年)、東日本大震災の避難者の支援を目的にNPO法人化しました。現在は支援を必要とする地域のこどもや保護者に向けた活動に力を入れています。早坂さんは「地域のみなさんと一緒にこどもたちを見守り、育てることができれば」と思いを語りました。

さくらんぼ食堂は令和元年10月にスタートし、寒河江市内の公共施設で月2回開催しています。毎回、平均で約20世帯、70人ほど(うち、こどもは7割)が参加し、調理や配膳を担当するのは地域の人々です。食材は、地域の食品会社から箱が破損するなどして商品として販売できなくなった冷凍食品を譲り受けているそうです。こども食堂の開催は調理の多さがネックとなるケースが少なくないといい、早坂さんは「地域のつながりによってメニューが構成でき、とても助かっています」と語りました。


地域の人々がボランティアで調理を担当し、さくらんぼ食堂の運営を支えている

食堂を訪れるのは、寒河江市内のひとり親家庭と経済的な困難に直面している家庭。明確な「参加基準」はないものの、家族団らんを提供する場にしたいと考えており、保護者がこどもと同伴するよう呼びかけています。

好評の無料学習会 講師は地域の高校生

やまがた絆の架け橋ネットワークは、さくらんぼ食堂で無料の学習塾を週1回のペースで開いています。小中学生20人(令和8年2月現在)が在籍し、講師は地域の高校生です。参加した小学生の一人は「教えてもらって分数の計算ができるようになったよ」と笑顔で話してくれました。講師の高校生は「こどもたちに学習内容を理解してもらえることが、自分の成長にもつながっていると感じます。大学は教育学部に進みたいと考えています」と目を輝かせていました。


無料学習塾では、高校生が講師になり小中学生にマンツーマンで教える

やまがた絆の架け橋ネットワークは令和6年度、「こどもの未来応援基金」を活用し、さくらんぼ食堂の食材や無料学習塾の教材をそれぞれ購入しました。寒河江市内のひとり親家庭を対象にフードパントリーも年に数回実施しており、缶詰や飲料のほか、地元産の米、野菜、果物などを50世帯(令和8年2月現在)に届けています。このうち、お米は地元農家から仕入れた令和7年産を各世帯に15㎏ずつ配り、こどもが4人以上いる家庭には量を追加したそうです。


「地域のみなさんと一緒にこどもたちを見守り、育てることができれば」と活動への思いを語る早坂さん

新たな活動として、令和8年度からは「フードバンクさくらんぼ」を本格稼働。これまで県内には、こどもへの食材支援で活動する団体を取りまとめる組織がなかったといいます。このため、企業などから箱単位で譲り受けた食材を他団体と分かち合いたいと考えました。早坂さんは「フードバンクとして企業と県内の他団体を結ぶ役割を果たし、食材を必要とする家庭のこどもたちに届ける仕組みをつくっていきたいですね」と、将来を見据えていました。

(令和8年1月24日取材)