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地域で子育てサポート こどもたちが「住み続けたい」と思う町に
取組事例の主な分野:地域で子育てサポート こどもたちが「住み続けたい」と思う町に
支援団体トピックス
地域で子育てサポート こどもたちが「住み続けたい」と思う町に
くっちゃん子ども子育て応援し隊 Popke Lab (北海道)
2026年8月6日 掲載
北海道虻田郡の倶知安(くっちゃん)町は、国際的なリゾート地となった「ニセコエリア」に位置し、国内外から多くの観光客が訪れます。ここで、こどもたちの居場所づくりや親子で参加できるイベントの開催を展開しているのが、ボランティア団体「くっちゃん子ども子育て応援し隊 Popke Lab(以下、ポッケラボ)」です。

雪像作りのイベントなどを季節ごとに企画し、こどもたちにさまざまな体験の機会をつくっている(ポッケラボ提供)
子育て奮闘中のお母さんたちによる立ち上げ
ポッケラボは令和元年(2019年)10月、子育て奮闘中のお母さんたちがつくりました。代表理事の松井雅子さんは福岡市出身で、自然の美しさに魅力を感じて20年前、ニセコエリアに移住してホテルで働きました。結婚し3人のこどもに恵まれたものの、夫婦ともに実家が遠く、地縁のない場所での子育ての厳しさを味わったといいます。子育ての悩みを聞いてもらったり、自身の体調不良時にこどもを預けたりするなど、身近に頼れる人がいなかったためです。それと共に、倶知安町には、ホテルのほか陸上自衛隊の駐屯地などがあって移住者や転勤族が多く暮らし、同じ体験を共有する親が多いことが分かりました。松井さんは「子育てをする上で実家の支援を受けづらい人が少なくなく、地域で子育てをサポートする組織の必要性を感じた」と振り返ります。
「助かりました」の声が活動のモチベーション
設立翌年の令和2年、中古のこども用の服や玩具や本、日用品を販売する「おさがり掘り出し市」を企画。こども服は短期間で買い替えが必要となり、おさがりが活躍します。倶知安町は、北海道有数の豪雪地帯かつウィンタースポーツが盛んなこともあり、ジャンパーや手袋、帽子のニーズが高いといい、今でも春、秋の年2回開催を続けています。松井さんは、「『助かりました』と声をかけてもらうことが、私たちの活動のモチベーションになっています」と話します。こどもたちに様々な体験を楽しんでもらおうと、雪像づくりをなど季節ごとにさまざまなイベントも実施しています。保護者向けには育児講座を開催し、子育ての不安や悩みに寄り添うことで、こどもの年齢が近い保護者同士のコミュニティーを作っています。

「みなさんが楽しみにしているイベントを続けていきたい」と松井さん(写真左端。ポッケラボ提供)
「こどもの居場所」で地域がつながる
ポッケラボは令和6年4月、こどもたちの居場所づくりを目的にした「地域でこどものココロとカラダ支援『ココカラ』」を新たにスタートしました。会場は倶知安町内の公共施設で、令和8年2月時点の活動としては、和室やキッチン、2階の一室をこどもたちに開放し、週1回のペースで軽食を提供しているほか、月に1回以上、夕食を提供する日を設けています。

みんなで作ったカレーを食べるこどもたち(ポッケラボ提供)
20代から50代のスタッフが常時5人体制で運営し、小中学生・幼児連れの親子など約80人が参加しています。こどもたちが好きなことをして過ごすだけでなく、訪れた地域のお年寄りや大人と接する場ともなっているとのことです。こどもたちの好奇心を満たし、地域交流を促すための講座も開催しており、例えば、ヨガや染め物があります。松井さんは「地域の大人がいろんなこどもと関わったり、高校生と幼児など学校や学区を超えた異年齢交流で自然と社会を互いに学び合っています」と手ごたえを感じています。今や子育ての難しさ克服という設立の目標を超えた、地域一丸となった取り組みに成長しました。

「ココカラ」人生ゲームは今も昔も大人気(ポッケラボ提供)
設立に向けては、令和6年度の「こどもの未来応援基金」を活用。事業を進めるため、会場の利用費やスタッフの人件費、食材の購入費に充てることにしました。令和7年度も同様の支援金を受けたことで、スタッフの人件費を賄うことができているそうです。こうした支えもあり、活動は開始から7年目を迎えています。
松井さんは「メンバー自身が楽しんでいないと活動は続きません。こどもたちと一緒にやってみたいことをメンバーが提案して一つずつ形にしてきました」と振り返ります。いずれは任意団体から法人化することを検討しており、「次世代に活動を引き継いでいける体制にします。こどもたちが大人になるころには、もっと倶知安町の子育ての環境をよくしたい。こどもたちが住み続けたいと思える町になれば」と次の目標を見据えています。
(令和8年1月19日取材)