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こども食堂にも、安全で快適な住環境を提供したい

一般社団法人リビングアメニティ協会(東京都)

2026年4月23日 掲載

住宅設備・建材メーカーで構成される「一般社団法人リビングアメニティ協会」(略称ALIA、東京都千代田区、内藤弘康会長)は、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、「むすびえ」)を通じて、ALIA会員企業の住宅部品(設備・建材)やサービス等を全国のこども食堂に無償で提供している。こども食堂の環境改善を図って安全で快適な「居場所」にするという、住宅部品業界ならではの取り組みとなっている。


「ALIAこども応援プロジェクト」を説明するSDGs推進部会の山田秀之部会長(東京ガス株式会社)

商品やサービスの提供 4年間で全国約420か所に

ALIA SDGs推進部会の山田秀之部会長は、「住宅設備や建材を扱うメーカーの集合体として、我々らしい、我々が得意なことから関わっていこうと方針が決まり、住宅部品の無償提供が決まりました」と、事業のきっかけを説明する。ALIAは2020年10月、優良住宅部品の認定制度を運営する「一般財団法人ベターリビング」と共同で「住宅部品×SDGs」宣言を発表。優良な住宅部品の開発・供給・普及などを通じて、国連が掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成に貢献する方針を掲げた。

具体的な取り組みを検討する際に会員企業へアンケートを取ったところ、SDGsの17の「目標」のうち、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」といった社会問題分野への取り組みが少ないことが分かった。そこで、「ALIAこども応援プロジェクト」として、こども食堂への支援をスタートした。

プロジェクトは、こども家庭庁が組織する「マッチングネットワーク推進協議会」を活用し、①協議会の構成団体である「むすびえ」に、ALIAが提供する商品やサービスのリストを提示、②「むすびえ」が提供を希望するこども食堂を募集、選定、③対象の運営団体にALIA会員企業が無償で提供――という流れで行われている。モデルケースとして始めた2022年から、これまでに全国47都道府県の約420か所に商品やサービスを提供している。

こども食堂は、多くが規模の小さいNPO法人や任意団体によって運営されており、衛生・安全面を改善したくても、「現状で手一杯」「費用負担が重い」といった声が少なくない。「ALIAこども応援プロジェクト」による住宅設備の支援は、運営者の負担を減らして長く続けられる環境をつくる点で、活動の土台となっている。

「こども食堂の環境改善」 各地から喜びの声届く

山田部会長は「こども食堂の『場の環境改善』への支援実績はまだ十分ではないですが、高い評価をいただいています」と話す。実際、各地のこども食堂から喜びの声が届いている。

こども食堂「きっず’な小見house」(埼玉県行田市)は、畳やフローリングの上にそのまま置ける「置き畳」の提供を受けた。運営者や利用者からは「食べ物や飲み物をこぼしてもふき取りやすく、クッション性があって座りやすい」と歓迎されたという。こども食堂は賃貸物件や公民館を利用しているところも多く、施設を汚さないように運営者が気を遣う場面が少なくないそうだ。


新しい「置き畳」で高齢者の健康体操も行われる「きっず’な小見house」(埼玉県行田市)、商品提供:DAIKEN(株)

デイサービス事業とこども食堂を主に運営するNPO法人TetoCompany(大分県竹田市)には、温水洗浄便座、便器が届けられた。これまでトイレが1か所しかなく、積極的な広報ができなかったが、トイレを増設して、地域のこどもたちがより来所しやすいようにしていくという。


届けられた新しいトイレの設備を喜ぶNPO法人TetoCompanyスタッフ(大分県竹田市)、商品提供:LIXIL(株)

こども食堂「ようこそおかえり食堂」(大阪府大阪市)に提供されたのは、木質床材。こども食堂の中心であるキッチンの床は長年の使用で劣化していたが、これによって美しくよみがえった。ボランティアは「踏み心地がいい」「足元を気にせず作業できる」と笑顔で活動しており、こどもたちにも喜びが伝わっているそうだ。


きれいになった床で調理作業もはかどる「ようこそおかえり食堂」(大阪府大阪市)、商品提供:パナソニック・ハウジングソリューションズ(株)

想像以上に喜ばれるうれしさ、支援の輪をさらに広げたい

山田部会長は、「多くのこども食堂は、場所の環境整備に苦労されている。反響はうれしい限りであり、非常に『はまっている』活動だと感じる。この支援の輪をさらに広げていきたい」と意欲を見せる。これまでプロジェクトには、延べ19社が参画しているものの、全体の会員企業・団体数である124(2026年2月現在)からすると、まだ少ない。ALIAは2026年から2030年をプロジェクトの第2ステージと位置づけており、こども食堂の環境整備への貢献を効率化しながら続けることで、活動の輪を広げる考えだ。


2026年からの新たなプロジェクトについて話し合うALIA SDGs推進部会の主要メンバー

(2026年2月2日取材)